社長インタビュー

  • ――創業100周年、おめでとうございます。まずは御社の歴史からお聞かせください。
  • ありがとうございます。
    1917年(大正6年)に私の祖父である故・佐藤正晴が、尾花屋商店という屋号で米殻商として創業いたしました。
    1927年から石灰石粉末の販売を開始し、その後、名古屋市最初のアスファルト道路舗装向けにタンカルを販売いたしました。1953年には株式会社化して、タンカルの販売を建築や土木のほか窯業や畜産へと拡大しました。
    今日に至るまでに幾多の社会情勢の変化がありましたが、お客様の要望に応え、次なる時代に求められる技術と製品開発を行うことで、変化する時代を経営陣と社員一同の努力で乗り切って、現在があることに感謝しております。

    私は同族なので、大学卒業後は入社するのが当たり前だと思っていました。1981年に入社して35年が経った昨年の9月に、4代目となる代表取締役社長となったのは、これまで支えていただいた多くの方とのご縁と私の運命だと感じています。
  • ――経営をする上で大切にされているのはどんなことでしょうか。
  • 創業時より当社は『自他祝福』を社是に掲げています。自他祝福とは、自分を取り巻く人々の幸せが自分の祝福につながるという意味です。
    自分を取り巻く人々を幸せにするためには、私は会社の従業員がまずは幸せにならなければならないと考えています。全従業員と家族の幸せが働きがいの持てる職場を生み、それがお客様や協力会社に対して良い仕事ができる原動力につながるのだと思います。また、良い仕事はお客様を幸せにするだけでなく、地域や社会への貢献にもつながります。地域社会を幸せにする会社は社会に必要とされ、なくてはならない会社となれるのではないでしょうか。

    創立100年という節目を迎えましたが、更なる100年に繋げていくためにも受け継いだ経営基盤と、社是である『自他祝福』を踏襲し、これまで培った技術とノウハウだけでなく時代の変化に応じた新商品・サービスを提供していきたいですね。
  • ――今後の事業展開、方針についてお聞かせ下さい。
  • 事業を進めていくなかで、中小企業が絶対にやってはいけない競争が3つあると思います。
    それは、価格競争、品揃え競争、内部の社員間の過当競争です。

    経済のボーダレス化、グローバル化が進むなかで過度な価格競争はデフレスパイラルを生み出し、結果的に収益の悪化を招いてしまいます。中小企業は価格競争ではなく、人材とマーケティング力を鍛え、社会の動きや情報を迅速に読み解き、確かな技術力をもって素早く商品化に対応することで、商品価値を高めていくことが重要です。

    品揃え競争については、資本力や生産能力、調達力で優位な大企業に勝つことは難しいでしょう。ですので、小さなニーズでも良いので、これだけは絶対に負けないという特化した分野と製品を作ることが重要です。そのためにも専門性に特化した製品戦略を練る必要があるのではないでしょうか。

    社員間の過当競争については、業績や成果を鼓舞する一つの方法として有効ではありますが、それが行き過ぎることによって足の引っ張り合いや人間関係の悪化を招いてしまいます。結果、企業としての活力も失われる。
    競争は必要ですが、煽りすぎるのは逆効果です。
  • ――他と同じでは埋没してしまうということですね。
  • これからの中小企業のブランド戦略として重要なのは、「安い」「狭い」「深い」の3つです。

    「安い」というのは、商品の価格を下げるという意味ではなく「安く効率的な手段」、「狭い事業領域」、「顧客が抱えるニーズを深く掘り下げる」という意味です。そのためには重要なことは、「見栄をはらない」「自然体で」「身の丈にあった経営を行う」ということです。

    ただ、これは石橋を叩いても渡らないという消極的な経営や縮みの志向経営ではありません。現状に満足することなく、常に革新に取り組み、「一回のお客さまを一生のお客さまにする」ことにより安定的な基盤を確立して、持続的発展に向けて需要を創り出していく、これからも続けていきたいですね。
  • ――本日はありがとうございました。